庭の観察記録
身近な自然の観察記。すぐそこにある自然を通じて、生物の多様性と神秘を味わい、クォークから宇宙まで想いを馳せる。
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あまり気乗りしなかったのだが、家にいるだけだと気持ちがふさぎこんでいきそうだったので、とりあえず外に出た。まあ、それなりに装備はしたけど。長くても2時間くらいで帰ってくるつもりだった。A川からB公園へのフルコースだが、A川最上流地点がなかなか面白く、B公園についたのは1時間半くらいたってからだった。

B公園へはスズメバチスポットから。なんだ、いないのかと思ってがっかりしていたら、下のほうから重低音で飛んできて、ビビった。でっかい女王蜂。惚れ惚れ~、ドキドキ~。つり橋効果で恋しちゃうよ。

もともと鳥見メインで出かけたのだった。キビタキいないかなあと思っていそうなところに行く。しかし、鳥見のヒトがぜんぜんいない…。だめだこりゃ。

林縁環境でアシナガバチのようなカミキリムシのような飛んでいる虫を見る。何度か追いかけたが、ついに止まるところを見られなかった。しかし、ヒゲナガガを撮った。かなりおなかがすいたので、家に電話をすると女優はまだ部活から帰ってきていないという。そこでトンボ狙いで少し足を伸ばすことに。

鳥見に行っても虫見になる私だが、このときは虫見が鳥見になった。アオスジギンヤンマの気配すらなく。というよりヒトが多すぎて、あまり探す気にもならなかった。

未練たらたらだったので、さらに足を伸ばし、いつもはあまり行かないほうへ。何年も前だがエナガの巣があったところに行ってみる。おお、ヒトだかりができている?とその近くに行ったらヒトはいなかった。勘違いか。

そのまま引き返すのが癪なので、もう少し進んで反対岸に渡る。ちょくちょく虫をチェックしつつ歩く。ツツジ?サツキ?のところで、ゲ!アゲハのゲテモノ?羽化不全?(という言葉はとっさに思い浮かばなかったけど)よく見たら、オオヤマトンボ、絶賛羽化中ではないか!!こんなところで出会えるとは思わなかったぜぃ!(実は反対岸では探してた)

それにしても人通りも多く、荷物が茂みにちょっとかすっただけで羽化中の個体が落ちてしまうのではないかと、ひやひやした。おなかがすいた…。この場でまた家に電話した。女優はまだ家に帰っていないということだったが、いったん帰ることにした。いつトンボが飛んでいってしまうか気が気でなかったが。

帰る途中にまた電話。少しでも現場に近いところでご飯が食べたい。家でうどんということに結論は出ていたので、そのまま自転車をこぐ。

家に帰って、ちょっとツイッターに投稿して、うどん食べて、フェイスブックページに投稿した。

さて、トンボ見るためにとんぼ返り。わき目もふらず、現地へ。もう色づいて、尻尾も(正しくは腹部だが)まっすぐになっていた。ここから先、どれくらい時間がかかるのかわからない。だから、本を持ってきた。読みつつ、撮りつつ、だんだん帰りたくなってきた…。もしかして、飛び立つのは明日かも…。それならばまた夜に見に来る手もあるし…。

カイツブリの声がやたら聞こえるのでそちらを見ていたら、なんと3羽が追いかけっこ。縄張り争いか。カイツブリは1羽でそれなりの池の面積を必要とするというのを本で読んだことがある。さらに4羽にもなった。それとも巣立ち?カイツブリの繁殖はいつごろだったっけかな…。

本はすでに7割くらい読み終わっていた。全部読み終わったらもう帰ると決めた。それから程なくして、池のほうからがさごそ紙のような音が聞こえてきた。そちらに目をやったその直後、視界の右端のトンボの動きを捉えた。さっきよりも積極的に移動している。それまで何度か足場は変えていた。しかし、今度のそれは、今までとはちょっと違う感じがした。

パシャパシャ撮っているうちに、翅も動かし始めた。そう、羽化のときは翅をぴたりと閉じているが、そうやって止まるのはイトトンボだけ。イトトンボでないトンボ(不均翅亜目)は止まるときは翅を広げたままにする。今日中に飛んでいかないにしても、そこまでは動きがあるはずだと待ちながら考えていた。どうやらそのときがきたようだ。

透明な翅がこの世のものとも思えぬほど美しい。トンボの羽化直後の翅のきらきら輝く透明感は、本物を見たヒトにしかわからないだろう。残念ながら写真では(少なくとも私の腕では)限界がある。

移動しながら翅を小刻みに動かし始めた。これは、飛ぶ。間違いなく、飛ぶ。シャッター速度を下げて、翅だけが動いている写真にもチャレンジしてみる。一方でシャッター速度を上げて時間をとめた写真も撮ってみる。どんどん動いていくので、どこまでうまく撮れているかわからない。

葉の間を動くのに苦労しているように見えたが、やがて、飛んでいってしまった。空を飛んでいるところも撮れそうな感じもしたのだが、ちょうど太陽の方向でやるなお前、という感じだった。

そうそう、そのトンボは少女ではなく、少年だった。昼食後に見たときにわかった。

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