庭の観察記録
身近な自然の観察記。すぐそこにある自然を通じて、生物の多様性と神秘を味わい、クォークから宇宙まで想いを馳せる。
201709<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201711

クロマダラソテツシジミが東京で確認されたということで、ネット上のあちこちのブログで話題になっている。私は見ていないが、NHKのニュースで取り上げられたことも大きいようだ。クロマダラソテツシジミには、ちょっと苦い経験もある。私自身は、今年の春まで、このような名前の蝶は聞いたこともなかった。もともとはフィリピンや台湾にいる蝶で、それが台風などで迷蝶としてやってくるとしても沖縄や石垣島、与那国島のような「南の島」での出来事だった。幼虫はソテツの新芽を食うので、どちらにしても南方系の蝶そのものだ。

それが、南九州上陸はまだしも、関西や今年はついに東京にまで現れたということで、毎度おなじみ「温暖化」問題だ。東京での発生の原因はまだ謎だが、故意であれ、そうでないものであれ、人為的なものであることは間違いないだろう。そもそもソテツ自体が、九州や四国が自生の北限なので、ソテツもその新芽を食うクロマダラソテツシジミも「温暖化」以前に「人工化」の産物なのだ。

南方系の生物が繁殖できるかどうかの鍵の一つは、越冬できるかどうかだ。ここで「温暖化」が問題になる。「温暖化」は一つには冬の最低気温の上昇という形に顕著に表れるので、越冬できるかどうかはまさに「温暖化」の問題と一般には直結するといえる。ところが、ソテツは、人工的に保護されて越冬するものもあるようだ。同様にクロマダラソテツシジミも、これだけ都市環境が整えば、越冬する場所を見つけられるかもしれない。クロマダラソテツシジミは、ネットでちょっと調べたかぎり蛹で越冬するようだ。蛹ならば、ソテツが越冬のために保護されていれば、いっしょに越冬させてもらえる可能性がある。そうなると「温暖化」は必ずしも関係なくなってくる。

もうひとつ、クロマダラソテツシジミが放蝶により、関西や東京で発生した場合。それは「ネット化」の副産物といえるのではないかと思う。ネットで注目される機会が、非ネット社会の時代と比べて飛躍的に増えるので、愉快犯ならばたまらないだろう。

生物は、ただひたすら子孫を増やそうとするので、クロマダラソテツシジミの生息範囲の拡大の報告は続くだろう。しかし、南国でもなければそれほどソテツが世の中にあるとは思えない。さらに、ソテツは生長のスピードが遅い植物のはずだ。となると、早々に食糧不足でクロマダラソテツシジミの個体数はしぼむと思われる。そこらに生えているエノキを食草とするアカボシゴマダラとは訳が違うはずだ。クロマダラソテツシジミは、本州に定着できたとしても、ソテツが豊富にあるほんの限られた地域にとどまるだろう。これが現時点での私の予想である。

関連記事
コメント
この記事へのコメント
昨日は名前を教えていただいてありがとうございました。写真は撮っても昆虫の名前はあまり分かりませンので、間違っては良く教えていただきます。

クロマダラソテツシジミは今年は関東でも発見されたのですね。
わたしは昨年京都の親せきの家でニラのお花にいるのを見て、その時は尻尾のある蝶だと思って持っていたコンデジで写真を撮って、家に帰ってみたら思っていたツバメシジミではなくて、クロマダラソテツシジミでした。
後で聞いたところ親せきのソテツの新芽は食い荒らされていました。
幸いというか、今年は来ていないようです。

昨年のクロマダラソテツシジミ
http://28239hana.blog55.fc2.com/blog-entry-867.html 
2009/10/19(月) 10:25:42 | URL | ミュー #-[ 編集]
尻尾のある蝶
翅に尻尾のあるシジミチョウ見たいというの、なんだかわかります。

私もムラサキシジミを見るたび思います。ああ、ムラサキツバメじゃなかったって。
2009/10/21(水) 10:45:35 | URL | 混沌 #EBUSheBA[ 編集]
コメントを投稿する
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004 Powered By FC2 allrights reserved
blogramランキング参加中!
  1. 無料アクセス解析