庭の観察
身近な自然の観察記。すぐそこにある自然を通じて、生物の多様性と神秘を味わい、クォークから宇宙まで想いを馳せる。
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最寄り駅前の本屋で偶然この本を見つけたときは驚いた。こんな本がこの本屋で売っているなんて。専門書を多く置く大手書店ならともかく。そして、すぐに出版社を確認した。出版社については、ああ、やっぱりと納得した。もともと同じ出版社の『日本原色アブラムシ図鑑』を図書館からまた借りていたから。

便利なのは、ページの構成がアブラムシの宿主植物別になっており、さらにそれが植物の科別だけでなく、草、木、つる、多食性と大きく分けられているところ。草と木に分かれているだけでもずいぶん検索のスピードが変わってくる。実際にアブラムシがついている植物の名前や科がわからないことも多いので、草か木で分けているのは本当に便利だ。

この前の日曜日27日に見つけたアブラムシも、つる性の植物だったことを思い出し、この本で検索したら、キョウチクトウアブラムシであるとすぐにわかった。今は図書館で借りているだけだが、この一件もあり、購入決定。

欲を言えば、アブラムシのアップの写真だけでなく、宿主植物の名前の同定がしやすいような写真も入っているとよかった。しかし、そうすれば写真数、ページ数がかさばり、値段も跳ね上がるのは必至なので、やむをえないか。植物は名前からネットで検索することとする。

2008年、松本 嘉幸著、『アブラムシ入門図鑑』、全国農村教育協会、2,800円(税別)
この前ジュンク堂で何気なく手に取り、衝撃を受けた。写真よりも本物に近い絵。女優がほしいと言えば買おうと思った。しかし、私ひとりで見ていたので、決めかねた。今朝図書館にあることをネットで知ったので、さっそく予約。私は一日中仕事だったので、クミゴンに本を受け取りに行ってもらった。

仕事から帰ってきて、手元にこの本があることがうれしかった。帰ってきて暑かったので、ズボンを脱ぎ、ネクタイを緩めて、中途半端な格好で、そして立ったまま本を開いた。

今もう一度見てみて、特に甲虫類の翅の光の反射が素晴らしいことに気づく。これが妙にリアルなのだ。写真よりもリアル。不思議である。

また、保護色で背景に溶け込んでいる虫の姿も見事。この微妙な加減は、むしろ写真で表現するのは難しいだろう。

絵に添えられた軽妙な文章も秀逸。

そう感じたのは私だけではなかった。

実際に手にとって見てみることをお勧めする。やっぱり買おうかなあ。

2008年、文・絵 安永一正、『安永一正の昆虫』、フレーベル館、3,200円(税別)
庭の観察にアインシュタインの相対性理論は普通の意味ではまず関係ないのだが。

数日前の新聞に写真付で中村誠太郎の訃報記事が出ていたのでこの本をあげておく。私にとっては思い出深い本だ。中村誠太郎はこの本の訳者である。表紙のカバーで湯川秀樹の愛弟子とも紹介されている。

高校2年のときに進研ゼミの特集記事で相対性理論のことが書いてあった。興味を持ったので、それから本屋で相対性理論の本を探して、面白そうだったので買ったのがこの『相対性理論の世界』だった。最小限の数式が出ているのがまたよかった。

そこに出ているローレンツ変換の式から、物体の速さが光の速さを超えると、質量や進行方向の長さ、時間が虚数になってしまうことがわかる。だからこの世で光が一番速く、その他の物体は光の速さを超えることができないのだ。光速を超えると質量が虚数になってしまう!ありえない!だから光が一番速い。それまで持っていた知識がここで結びつき、深い感銘を受けた。この本がきっかけになって、私は物理に行くことに決めた。
正直、不満も多い。値段も購入する立場からすると安くはない。何度も買うのをためらった。結局買ったのは去年の5月くらいだったか。それでもこれまで何度も役に立った。昆虫に興味があるならば、やはり買って損はないと思う。

それにしても、今日、調べていて驚いた。トンボの幼虫についてずいぶんくわしく出ている。驚くほどくわしく出ている。そしてさらに驚くべきことに、そのトンボの幼虫、何を食べるのかまったく出ていない!衝撃である。これほどくわしくいろいろ出ているのに、何を食べるのかの記述がまったくないのである。「食べる」という行為は動物である以上、その生活の半分近くを占めているといっても過言ではない。どこに住むかということは何を食べるかということと密接な関係がある。にもかかわらず、どこに住むか、どこで生活しているかという記述はあるのに、何を食べるかについてまったく触れられていない。信じがたい編集ミスである。

2005年『日本産幼虫図鑑』学研、18,000円(税別)
おそらく出版されたときから本屋で見ているが、買うのは躊躇していた。去年、何度か図書館で借りて、やっぱり買おうと決めてから、どの本屋でも売っていない。今日(日付上は昨日)、やっとジュンク堂に入っているのを見たので、少し迷いながら、やっぱり買った。第1刷であり、出版社の倉庫に眠っていたんじゃないかと・・・。

同時期にどの本屋でも見つからないということは、改訂が出る可能性が高い。ドーキンスの『ブラインドウォッチメーカー上・下』(早川書房)がそうだった。買おうと思ったらどこにもなく、しばらくしてから『盲目の時計職人』となって、2冊が1冊になり、リニューアルしていた。もっと前には、バークレー物理学コースの『電磁気 上・下』(丸善)がそうだった。上巻だけ買って、次に下巻を勉強しようとしたときには、どの本屋にもあらず、しばらくしたら新版が出た。上巻だけ旧版と新版を持っている。未だにあのとき下巻もいっしょに買えばよかったと思っている。

この本の一番の特徴は、植物ごとに集まる虫を並べている点。そのため、何度も同じ虫が出てきたりもする(※)。一見無駄なようだが、この反復がまたいい。

(※)たとえば、アオクサカメムシは5回出てくる。クロマルハナバチはなんと15回だ!

虫(や花)の名前を調べようとすると、思いのほか時間がかかるというのは、経験者ならばきっとあるだろう。ネットでの検索も出来るようになり、本当に便利な世の中になったが、それでもなかなか見つからず、疲れ果てることもある。この本から探すと、サクッと見つかることもよくある。ウリキンウワバはまさにそうだった。過去に苦労したもの、人に聞いたものも、なんだ、ここを見れば一発じゃないか!というものがいくつかあった。実は、これが一番の購入動機になった。

写真ではなくて、絵なので、これもまたわかりやすい。写真のほうが「真実」であり、良さそうな気がするが、これは逆で、絵のほうが「真実」を「抽出」してあるので、むしろ「真実」に近い。そのため、より検索がし易い。

また、各ページにトピックが設けられており、これがまたいい。たとえば、「ジャガイモにくる虫」のページにはこのようなことが書かれている。

 地下茎のいもを食用にするため畑に栽培する。原産地は南米アンデス山脈の高地で、1598年日本にきた。日光に当たったいもは、緑色でソラニンがふくまれている。
 花は両性花で6月にさくが、結実は悪い。花をつんでも、つまなくても、いもの収量にはほとんど関係しない。


このあとに虫の話が続く。単なる図鑑でないところも購入動機になっている。

パラパラめくっているだけでも楽しい。こんなにも自分は虫について知らなかったのかと驚く。

中山周平(2001)『野や庭の昆虫』小学館(自然観察シリーズ)、2,250円(税別)
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